またもや久方ぶりの投稿になります。
最近は主に相続手続きをやっておりました。
事業復活支援金の手続きが終わってからここ数カ月は小さめの仕事も多かったです。
しかし、時間制限の短い相談が多く、バタバタしていた感もあります。
2020年から始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミックもようやく安心できるレベルまで落ち着いてきた感があります。
感染者数などの数字の上では決して安心できる状況とは言い切れませんが、世界や相場、世間や市場ではあまり気にしなくなったと思います。
相場と言えば、奇しくも2年前と同日の2月24日に大きな変動がありました。
理由はロシアのウクライナ侵攻の開始です。
2年前と違うのは一時的な相場の下落を引き起こしましたが回復は比較的早く、しかしコモディティ相場を中心に世界的で急激なインフレが起きています。
2年前の3月16日に世界の主要国が揃って大規模緩和を実施した影響でもあります。
既にゼロ又はマイナス金利政策を採っていた日本、スイス、EUを含む、各先進国のほとんどが示し合わせて一斉に0金利政策を採りました。
その後、アメリカを筆頭に正常金利へと移行し、今は過度なインフレに対し高金利政策に移行しています。
にもかかわらず、長年続いたデフレを脱却しようと0金利、マイナス金利と大規模な金融緩和を継続していた日本だけが未だにマイナス金利を維持し、それに伴って当然とも言える円安が起きています。
インフレとは本来、経済が拡大成長していく過程で自然に起こるものです。
数字遊びではないので、通貨流通量の増加がインフレを発生させて経済を成長させるような逆転現象は起きません。
日銀はそれを証明していて、にも拘らず従前の判断に固執して軌道修正できていないのが現状かと思います。
先日、現日銀総裁の採っている政策を先駆けて実行し、成果を出した元FRB議長のバーナンキ氏がノーベル賞を受賞しました。
それは独自の理論による金融緩和の実施によってアメリカ経済を立て直した成果に対する評価のようです。
バーナンキ氏が大規模な金融緩和策を行ったのはサブプライムローンの焦げ付きから波及して起きた「リーマンショック」からの経済危機に対してのものでした。
その理論は先に否定した逆転現象を実際に起こしたかのようにも見えます。
しかし、そもそもバーナンキ氏は金融緩和を用いて市場の再生を図る場合は「出口戦略」となる金融正常化の手法と時期が重要であることを説明していました。
日銀には出口戦略があったのでしょうか・・・時期は見逃していないでしょうか。
バーナンキ氏の実施した金融政策は弟子と言われている前FRB議長のイエレン氏が引継ぎ、市場から当然の反発を受けながらも実施し、出口に導きました。
そして、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック相場まで大きな問題が無くアメリカの経済の毒抜きができていたと思います。
日本の失われた30年とやらをその間の成長産業を題材に振り返ってみましょう。
先進的な技術を使用した贅沢品はいずれ一般大衆のものとなり、いつか必需品となります。
例えば自動車、例えば電話、例えばテレビ、例えばPC、例えば・・・白物家電も黒物家電も百年前は???
今ではスマホも必需品となり、先進国の十代以上の年齢であればほとんどの人間が所有しています。
スマホ一台で黒物家電のほとんどが用済みですし、ゲーム機やPCの代用にもなり得ます。
携帯端末は30年位前だとまだポケベルが主流で、携帯電話は今のスマホより若干安いかな程度で、月々の費用は現在の数倍でした。
それが25年位前に携帯電話は1円や0円で売られていたりで一気に普及が進みました。
20年位前にはPCの普及率が高まって、PCで調べ物をしたりネット通販を利用したりといったライトユーザー層が増えました。
15年位前にiphoneが発表され、初めは高価で高性能すぎる点が敬遠されましたが、徐々にその便利さが知られていき世界的にシェアを広げ、逆に携帯電話は廃れていき今に至りました。
現在はスマホは高価ではあるものの必需品となっていることに異論はないと思います。
市場の成長期には価格競争やコストダウンを経て一時は価格が下がります。
ところが、必需品となり業界再編を経てしまうとその後はまた高価でも買われることになります。
高性能、高価格な商品を市場が求め、購入される限りはインフレしていきます。
一方、何らかの影響で景気が悪化すると高価な品に手が出にくくなり、機能を制限した廉価版が出てきます。
そして、市場そのものが2極化していき、廉価版で満足を得るようになってくるとその市場は徐々に衰退していきます。
現在のモバイル端末の市場はどの時期にあるのでしょうか。
特定市場でのインフレ・デフレはこんな感じですが、全体的に見るとまた違ってきます。
世界中が求めるような「新しいモノ」が経済をけん引している間は世界の景気も良くなっていきます。
その「新しいモノ」の原料市場や製造工場や技術開発、そして流通や金融などで多くの市場に影響が出てきて、雇用が生まれ、雇用の確保や利益の分配を目的に給与が上昇し、平均収入が上がれば購買意欲も増し、高価と思われたモノにも手が届くようになります。
安定収入からくる安心感によって増した購買意欲はその「新しいモノ」だけに留まらず、他のモノにも波及していきます。
その波及が最終的に向かうところは安定資産ですが、その前に投機的資産に向かいます。
ですが、どこかで景気は後退し、投機的資産が取り崩され安定資産へと向かいます。
その過程で多くの経済的価値が消失していき、出口戦略なく拡大路線に乗っかっただけの者はふるい落とされ損失を出すことになります。
その事実が情報として流布されると市場に恐怖や動揺が起こり、不安を覚えると景気全体が冷え込んできて人々の購買意欲が低下し、景気低迷を起こします。
購買意欲が低下すると貯蓄や節約に走り、通貨流通量が相対的に減ります。
結果、物価上昇が止まり、通貨価値が相対的に上昇し、デフレとなります。
資金が最終的に向かう安定資産とは何かが重要で、金などが筆頭ですが、最終的に需要が0にならない市場である「食料とエネルギー」もまた安定資産に近い性質を持っています。
主に先物市場の動向が末端価格に影響してくるので、投機的でもあり、必需の商品かつ最終的には現物なので安定資産でもあります。
「食料とエネルギー」価格の上昇は豊かさの真逆に向かいます。
エネルギー市場の価格上昇は消費行動にも生産行動にも影響を与えますので、結果的に物価上昇を起こしてしまいます。
つまり、インフレですが・・・これは悪いインフレです。
同様にデフレにも良し悪しあるわけで、失われた30年の日本のデフレはその業界ごとに良かったり悪かったりしたでしょう。
そして、我々個人レベルで見た場合は失われた30年のデフレはどうだったのでしょうか。
かなりざっくりしていますが、世界の景気の流れはこんな感じです。
さて、新型コロナウイルス感染症に対する認識が変わりつつあり、経済活動も以前とは違っても動き始める時期になってきました。
個人的にはロシアのウクライナ侵攻もロシア側では出口戦略に着手したと思っています。
これから北半球で冬に入ると暖房等のエネルギー需要が増えてきます。
「食料とエネルギー」の価格は家計に直結してきますので、心身共に冷えそうな気がしてきます。
行政の対応というのは問題発生前に事前に動くということは期待しがたいので、自然と財布のひもが締まっていくようにも思えます。
その後、行政で色々と対策や対応をしてくると思いますが、経済対策は多くの予算を以て為されると思いますので、その流れに乗る準備をしてゆくべきかと思います。
近年は新型コロナウイルス感染症に対しての対策として各種給付金や補助金が出てきました。
日本は日銀が相変わらず緩和路線を維持していることもあり、今後も物価対策や景気高揚のために補助金を交付してくると思います。
それらの補助金は給付金とは違い、現状を証明するだけで支給されるものではありません。
給付金の場合は以前の収入と現状の証明で現金給付されましたが、補助金はそうはいきません。
交付される補助金にはその交付目的に沿った色々な要件があり、それらの要件を満たすことが必要です。
また、補助金を利用する事業を説明できなければなりません。
それを説明するために事業計画書を策定し、提出しなければなりません。
交付要件を満たしかつ、原資が税金である補助金を交付するに足るだけの経済的効果や公益性を伴うような価値ある計画でなくてはなりません。
そして、その費用がいくらかかり、予算がいくらで、その予算はどこから調達され、どのような償還計画があって、どのような営業戦略でどの程度の成果が見込めるのかなどの数字面での説明も必要になります。
判り易く端的に言うと「資金援助を得られるだけの事業計画」を作成し、その中に事業開始以降数年間分の「事業の成長計画(見込み)」まで計算・計画して入れることが必要です。
そして、補助金の申請が採択されてもまだ終わりません。
採択前に見積り等は取ってあるわけですが、実際に実施して発生した費用、実施中の資料の収集、完了・完成したモノの証明、費用中の補助金の請求額の計算などを経て、補助事業の実施報告書を作成します。
それを提出し、審査を経て補助交付額の決定を得ます。
それから補助金の交付請求を行い、補助金が交付されます。
ここまででお解りと思いますが、補助対象事業の費用は事業者が先に支払わなければなりません。
※事業実施報告時に領収証が必要になります。
その後、補助率に従って補助金が交付されます。
ということは予算分の資金が現状の運転資金の他に必要になってしまいます。
それらの資金確保のためにも事業計画書は利用できます。
資金調達のためにも事業計画書があるととても有利です。
もしも自己資金で賄える事業を実施するにしても、キャッシュフローの安定や費用の削減に一役買うことでしょうし、事業計画書という誰にでも説明できるだけの資料が備わっていれば方針を見失うこともなく、また方針転換する際にも基礎資料になり得ます。
何事も計画を入念に立てておけばその後の迷いは減るものです。
今のところ大丈夫と思えるうちに現状把握も含めてある程度の事業計画を立てておくといざ必要になったときに迅速に必要を満たす事業計画書を策定できるというものです。
余裕をもって立てる計画であればしっかりと「出口戦略」まで策定でき、方針転換や撤退、更なる事業拡大などの判断の基礎とする数字や状況も認識することができます。
開業、事業拡大、新事業の立ち上げ、未参入業界への進出、事業承継、M&A、廃業計画など事業・法人の入口から出口までどの時点でも伴走いたします。
やりたいこと・挑戦したいことがある方、今が準備の時・好機と捉えられている方、現状維持はできているが今後に漠然と不安のある方などは一度、ご相談ください。
資金に余力が無く、現状の改善から必要な方もどれほど力になれるかは保証できかねますが、相談に応じますのでご一報ください。
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